「おチビ〜!そろそろ、下の名前で呼ぶの、やめろよ〜!」
「いいじゃん。俺とは、従兄弟なんだし。」
「でも、ここでは先輩だろ!」
「はいいって言ってるんだし、俺の勝手っスよ。」
「おチビ・・・、今日という今日は、決着つけようぜ。」
「言いっスね。負けた方は、きっぱり諦める。」
「よし!絶対負けないもんね!」
「それは、こっちのセリフ。」
今、言い争いをしているのは、越前と菊丸。
「こら!英二、越前!今は、部活中だぞ!」
そして、注意したのは、肩の治療で九州に行っている、部長の代理、副部長の大石。
「くすくす。あの2人、仲良いのか、悪いのか・・・。」
そう言ったのは、不二。
そして、2人が言い争いをしている原因は・・・。
「もう・・・。大石(の胃)に負担がかかる〜・・・。」
越前の従兄弟の。
「じゃあ、が止めたら?・・・と言うか、にしか止められないでしょ?」
「はいはい。止めてきますよ。・・・ったく、他人のことも考えてほしいわ。特に私と大石の、ね。・・・それにしても、あの2人。いつでもケンカして・・・。仲悪いのかしら?・・・・・・初めて会った時から、あんな感じだったし・・・。」
「ケンカするほど、仲が良いんじゃない?」
「なるほど。とにかく、止めてきます!」
・・・2人の運命的(?)な出会いは、今年の4月だった。
「リョーマ。遅い!」
「別に、約束してなかったじゃん。」
「・・・そうでした。でも、私の案内があった方がいいでしょ?」
「まぁね。・・・で、何すればいいわけ?」
その日は、新入生の為の『部活体験入部』の日だったのだ。
「本当は、“素振り”とか“ボール拾い”とかするんだけど、それじゃ、つまらないでしょ?だから、このマネージャーの私がリョーマの実績を伝え、試合をさせて、あげましょう!」
「・・・それ、勝手に決めたこと?」
「・・・・・・今から許可を取りに行くから、安心しなさいって!」
「ってことは、今は『勝手に』してるんでしょ?」
「・・・・・・・・・さぁ、許可を取りに行こう!」
「はいはい・・・。」
そう言いつつも、「やっぱ、カワイイ。」と越前が思っていたその時、彼は現れた。
「〜!」
「きゃっ・・・。・・・・・・英二。何?」
そう、菊丸だったのだ。
「が見えたから、来ちゃったにゃ〜♪」
「あのね・・・。」
「、その人、誰?」
越前は、怒った口調でそう言った。まぁ、当然と言えば、当然だ。なぜなら、今、見知らぬ男が、急に自分の好きな人に飛びつき、抱き着いたままなのだから。
「俺は、3年の菊丸 英二。よろしくねん♪君は、1年生?」
「俺は、に聞いたんだけど?」
「にゃに?!」
今にも、争いそうな2人を止めるために、は言った。
「この子は、1年の越前 リョーマ。そんでもって、私の従兄弟。」
・・・だが、それは火に油を注ぐ発言だった。
「コイツが〜!」
「初対面の人に向かって『コイツ』は、ないんじゃない?・・・それと、さっさとから離れてよ。」
「リョーマ・・・。一応、先輩なんだから。私は従兄弟だし、いいけどね。英二は他人なんだから、ちゃんとしないと。」
「・・・わかった。」
「そうだにゃ〜!」
「英二も、調子に乗らない。」
「ほ〜い・・・。」
しかし、2人の争いは、まだ終わらなかった。
「。俺、この先輩と試合したい。」
「・・・英二と?OK。英二、いい?」
「こんな、おチビと?」
「リョーマをなめない方がいいわよ。」
そう。越前は、アメリカ各州のJr大会で4連続優勝の経歴を持つ、天才テニスプレーヤーなのだ。
「それじゃ、おチビ。あそこのコートで、試合しようぜ。」
「いいっスよ。」
「じゃ、私、手塚に許可を・・・って、始めてるし!」
しかし、は2人の試合に見入ってしまった。
「おチビから、サーブね。」
「どーも。・・・手加減しないっスよ。」
「(リョーマ、いきなりツイスト?!)」
「やるじゃん、おチビ。だけど、次は返すからね〜!」
「(15-0。英二、油断してたみたいね。次は、リョーマのツイストを返して・・・・・・。・・・出た!アクロバティックボレー!・・・15-15ね。)」
「先輩もやるじゃないっスか。」
「(次は・・・・・・。おっ!リョーマもネットについた!・・・・・・けど、ここで英二がムーンボレー!伊達に大石と、ペア組んでないわね。これで、15-30。英二がリードか。)」
「おチビ。このゲーム、負けたらのことは、諦める、っていうので、どう?」
「いいっスよ。」
「よ〜し!絶対、負けにゃい!」
そんな会話がされているとは知らず、は試合の行方を、見ていた。
「(リョーマのツイストが・・・・・・決まった?なんで?あれぐらい、取れるでしょう?)」
菊丸は、越前ではなく、その後ろにいる人物を見て、止まった。
「て、手塚!」
「何をしている?菊丸、グラウンド30週。・・・それと、そこの1年。」
「越前っス・・・。」
「そうか。すまない。・・・越前もグラウンド30週だ。それから、!」
「・・・!はい・・・。」
「お前も、だ。」
「は〜い・・・。」
そうして、争奪戦第1回戦は引き分けとなった。・・・しかし・・・・・・。
「、一緒に走んない?」
「ううん。私、遅いから。」
「俺がと走りたいから、いいの。」
「そう?じゃ・・・。」
「〜!俺と、走ろっ!」
「いや、私、遅いから・・・。」
「そうっスよ。先輩は、日々の練習で鍛えてるんスよね?じゃあ、1人で走った方がいいんじゃないっスか?・・・それと、は、俺と走るんで。」
「にゃんだと〜!」
争奪戦第2回戦が、始まってしまった。
「・・・そうだ!2人とも、さっきの決着つけたら?先に30週できた方の勝ち。」
「でも、俺、と・・・。」
「〜!一緒に・・・!」
「よ〜い、スタート!・・・・・・クスクス。2人とも、素直ね。スタートって言っても、走らなきゃ、よかったのに・・・。」
第2回戦の結果は・・・。
「今のは、俺の勝ちっスね。」
「うんにゃ。俺の方が早かったにゃ〜!」
「はいはい・・・。引き分けね。」
・・・ということで、第2回戦も引き分けとなった。
そして、現在。
「こら、2人とも止めなさい!」
「「・・・っ!」」
「ケンカばっかりしている2人には、スポーツドリンクあげません!」
「ご、ごめ〜ん!止めるから!」
「逃げんの?先輩。」
「こら、リョーマ。」
「・・・ごめん。」
「そういえば、今日はの手作りのドリンクだ、って言ってなかったっけ?」
不二も、2人のケンカを止めに入った。この2人が揃えば、ある意味、無敵だ。
「そう!今日は腕によりをかけた、って言っても、スポーツドリンクに少し、手を加えただけだけど、特製スポーツドリンクなのです!」
「じゃあ、なおさらケンカ止めた方が、いいんじゃない?」
「わかったにゃ〜・・・。」
「それにしても、不二先輩。最近、と仲良くないっスか?」
越前は、新たな強敵を見つけた。
「そういえば、そうだにゃ〜・・・。」
「だって、僕ら付き合ってるもの。ね?。」
そう言って、不二はの肩に腕を回した。
「うん。あれ?言ってなかった?」
は、不二の腕を拒まず、むしろ受け入れ、そう言った。
「「うそ・・・。」」
2人は、すごく脱力していた。
「嘘だよ。」
「へ?」
不二の言葉に、菊丸は間抜けな声を出した。
「2人とも、信じてたの?嘘に決まってるじゃん!ハハハ、おかしい・・・!」
・・・どうやら、不二とが即興で考えた嘘だったのだ。
「にゃんだ・・・。ホント、ビックリした・・・。」
「じゃあさ、。本当は誰が好きなの?」
越前は、すかさず聞いた。
「え〜っとね、不二!」
「え・・・。」
「それから、リョーマ。・・・・・・それに、英二。そんでもって、みんな!」
「らしい、答えだね。」
そう言って、不二は微笑んだ。
「もう、驚かさないでほしいにゃ〜・・・。」
・・・2人の戦いは、まだまだ続きそうである。
V.Sものって面白いですよね!なので、私もチャレンジしてみたんですが。
見事に失敗してしまいました・・・。すみません・・・orz
人数が増えると、余計に難しいですね・・・。まぁ、いずれ、頑張ってV.Sものも書けるようにはしたいです!!
ちなみに人選は、完全に当時の私の趣味ですね!1番好きなのが英二くんで、2番目がリョーマくんだったものですから・・・(笑)。
それに、基本的にこの2人の会話が好きだったりします。青学のカワイ子ちゃん達って感じで、和むので♪